住友林業レジデンシャル株式会社
海外事業部長 菅野博之様
(留学生会館事業、東京都新宿区)
施策と結果

【経緯】
震災後留学生会館に空室が増えてしまったため、1ヶ月コミコミ5万円のマンスリー形態留学生会館を企画。
ランディングページ+リスティング広告で中国人留学生の集客を考えた。
【施策】
- 価格を全面に押し出し、「連帯保証人不要」など訴求ポイントをまとめたランディングページを作成。日本語版・中国語版を用意。
- ヤフーリスティング、グーグルアドワーズに掲載。(広告費:合計¥50,000/月)
【結果】
- 日本語版ランディングページへのメール問合せ数が月平均15.7件。(2012年1月~3月)
- 4ヶ月で入居率が61.0%→80.8%に改善。
※空室率の改善は、物件のマンスリー化、春の留学シーズンであったこと、HPと新聞広告などのメディアミックス戦略、そして営業担当者の努力といった要因が絡みますので、全てがホームページの成果というわけではありません。
-当社とのお付き合いが始まった経緯を教えていただけますか?
直接的な理由は、不動産に特化していたからです。
ホームページの改修を考えていたとき、
レンターズの加藤社長から「いいのいるよ」と紹介を受けました。
正直、ホームページの制作はどこに頼んでも変わらないだろうと思ってましたね。
2002~2003年くらいの話です。
-今回、留学生会館のホームページ制作をされようと思ったきっかけを教えてください。
東日本大震災の影響で留学生が来なくなってしまいました。
一生懸命営業しても来ない、真面目に働いても来ないので、
達成感がないよね、と。
だったら、もうちょっと楽して集客できる方法を試そうよ、
という話になったんです。
もう一つ理由があって、この施策を試す前は、
どれくらいの金額で広告を打ったら、どういう人が何人来るのか、
そういうデータが全然ありませんでした。
当社の中国人スタッフは「安くすれば来る」と言うのですが、
それは本当なのか、あるいは保証人不要にすれば来るのか、
その辺りを確認してみたかったというのがあります。

-反響の程はいかがでしょうか?
自分としては「これくらい来るだろう」と予測はしていましたが、
現場のスタッフは驚いていたようです。
毎日ぽつりぽつりと問合せが入ってきていますから。
また、今回の施策でいろいろ分かったのでよかったです。
「5万円で一人部屋だと来るんだ」とか、
社内的なことで言うと、集客後の取り込みが弱いという弱点を発見しました。
今後に生かしていきたい部分です。
-当社サービスの良いところ、悪いところを挙げていただけますか?

いいところは、
(ホームページ制作に関して)せっついてくれるところ。
そうじゃないと、現場の人間は動かないことがありますからね。
他の広告会社さんなんかだと、
せっついてくれないでこちらが動くまで待っています。
プロジェクトが止まっているんで、
「あれどうなってるの?」と社員に聞くと「何もやってない」と。
「電話して確認してみて」→「明日締切です」
ということが起こるので、
その点気にしなくていいのは助かります。
次にいいところは、コストが安いこと。
あとは、不動産が得意なので、部下に指示を出す時も
「不動産のことを知っている会社だから、こう言っとけばわかる!」
とある程度投げられるのがいいです。
悪いところを挙げると、まずスピード感がなかったことでしょうか。
まあこれは、「自分はゆっくりやるけど他人には厳しい」というこちらのスピード感からして、
ということですが(笑)。
他には、コンプライアンス関連というか、社内ルールをきっちりしてほしいですね。
CI(コーポレート・アイデンティティ)関連は厳守してほしいです。
また、いただいた報告書内の言葉が少し難しかったです。
「リスティング」ですとか、業界外の人間にはわからない言葉もありますから、
できるだけ解説文を入れたり、図を用いた説明があるとありがたいです。
-当社への今後の期待、要望を教えてください。
不動産のことをよく分かっているので、
不動産業界でのプロフェッショナルさ、質を落としてほしくないです。
今はいいのですが、今後会社が大きくなると、
不動産に詳しくない社員も出てくると思います。
そうなると、ディープの存在価値というものが出てこなくなるかもと危惧しています。
その辺りは一番難しい部分だと思いますが…。
入社後1ヶ月は、不動産会社に出向させる、というのもいいかもしれません。
火・水休みにして、土・日だけ「店舗に行ってきな」という風に。
あとは、中小の不動産会社から大手不動産会社まで、
いろんな会社と付き合っていくと、合わせ方が難しいと思います。
中には法律ギリギリのところを狙ってビジネスをするところもあるし、
逆に当社のようにガチガチにルールを守るところもあります。
また、大手になるとコンプライアンスが難しくなってきます。
その辺りもどう上手くさばいていくのか、期待したいと思いますね。
取材日:2012年3月15日

▲住友林業レジデンシャル株式会社 海外事業部長 菅野博之様