先週、とある大学の先輩と久し振りにお会いする機会がありました。
その方は防大を卒業した後民間の会社に就職し、
その後ご自身で人材紹介会社を起ち上げられました。
その会社の特徴は幹部系人材の紹介に強く、
以前紹介候補となる人材対象者にアンケートをとったところ、
なんと95%以上の人材が、
過去に生徒会長やクラス委員長、部活動の主将などのリーダー経験があったようです。
幹部になる人はもともとリーダーとして選ばれる人なのか、
あるいはリーダーとして場数を踏んだから幹部になれるのかは
「鶏が先か・・・」の議論になってしまいますが、
防大では「幹部になるためにリーダーとして場数を踏ませる」
ということを体系的にやっています。
たとえば自身が専攻した学科別に組織された教務班。
1班概ね20~50人くらいになりますが、
この班長は全員で持ち回り。
班長は文字通りその班の指揮官となり、
教場への行進時に指揮を執ったり、
課業開始時に敬礼の号令をかけたりします。
*防大では授業の開始時と終了時に、
教官(会計学とか普通の大学の先生)に対して敬礼をする。
同じように訓練時にも班があり、
こちらも持ち回りで班長になって指揮を執ります。
そのほかにも、
学生舎(寮ですね)では
大隊・中隊・小隊ごとに設けられた週番制度(いわゆる当直です)があります。
週番は一週間ごとのローテーションで4年生が就き、
人員掌握、健康管理などを主に行います。
さらに週番に就いた暁には、必ずその週の自身の勤務目標を定め、
週頭の点呼時にレビューします。
「今週の勤務目標は『健康管理』。
各々うがい・手洗いを励行し、健康管理に留意せよ。」
という感じで。
さらにこの週番に対して補佐する役目を負う「付(づき)」がいて、
これには3年生が就きます。
その他、学生隊学生長、大隊学生長、中隊学生長、小隊学生長、
各種イベント(棒倒し、体育祭、持久走等)の責任者などなど、
各学生が必ず何回か長になります。
また、防大ではリーダーシップだけでなく
フォロワーシップも学ばされます。
リーダーの指揮下に入り、フォロワーの目線でリーダーを見つめ、
「自身がリーダ-だったらどうするだろう?」と考えられたのは、
とても大きな経験だったと思います。
今現在、私も経営者という立場にいるわけですが、
このころの経験が少なからず活きているなあと感じます。
皆様の会社でも、スタッフみんなが必ずリーダー経験を
積むことができるような仕掛けを作ってみてはいかがでしょうか。