毎日暑い日が続いてますね。

防大は夏の訓練期間が終了し、夏期休暇中。

が、各々所属クラブの夏合宿があるので、
一般大学のようには休めません。

私もアメリカンフットボール部に所属していたので、
この時期は数日しか休めず、
炎天下の下、練習練習の毎日を過ごしていました。

 

さて。

突然ですが、ここでクイズを一つ。

防大生が一番やってはいけないこと(最も怒られること)は何だと思いますか?

1.指定の時間に遅れること。

2.指導官や先輩の命令に従わないこと、命令と異なることをすること。

3.同期の学生を見捨てること、売ること。



「2」と回答された方が多かったのではないでしょうか?

 

実は「3」が正解。

どういうことか、具体例を上げながら説明したいと思います。

 

まずは「同期を見捨てる」ということについて。

防大生は同期2人ないし3人が同室で日常生活を送っています。

先日ご紹介したように、防大では毎朝6:30に日朝点呼があり、
起床ラッパが鳴ってから概ね5分以内に学生舎の前に集合しなければなりません。
*5分が過ぎると、そこから何分遅れたのかのカウントが始まることも。
 そのあとは・・・ご想像にお任せします。

その5分間で、
支給されている5枚ほどの毛布やシーツの四隅をぴっちり合わせてたたみ、
衣服を着替えて集合するわけですが、
一年生は慣れていないのでどうしても遅れてしまいます。

同室のメンバーのうち、1人が遅れて2人が間に合った場合、
怒られるのは間に合った2人。

「間に合ったのになんで怒られるの?」
と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

防大は1人のスーパーマンを育てる教育機関ではありません。

お互い足りないところを補完し合いながら、
組織として成長していくことを求められる組織です。

よって、「自分さえ良ければ良い」「そのためには仲間を見捨てても良い」
という考え方を持っている人間は、防大では厳しく咎められるのです。

 

「仲間を売る」についても同様。

集団行動が多い防大にとって、まず大事なのが同期(仲間)です。

ここの信頼関係が崩れると、国防もへったくれもありません。

だから、徹底して「同期間の信頼を強固にする」ということを叩きこまれます。

そのために「売らざるを得ないような状況」に置かれ、
試されることもしばしば。

例えば、一年生が行う共用部の掃除。

洗面場など、清掃範囲が広い場所は2人で役割分担しながら行います。

私が洗面所の掃除担当だった時に、
『三角コーナーのごみが捨てられていない』
というミスが後から発覚しました。
*本当に捨てられてなかったかどうかは定かではない。

掃除監督の上級生から、
「2人のうちのどちらが受け持ちだったのか?」と、
延々と詰問されるわけですが、
「私ではありません」とは言えません。

これはすでに「同期が悪い」と言っているのと同じこと。

ただひたすら「はい」「いいえ」の繰り返し
(当然、その他言い訳は一切できない)で、
時間が過ぎていくのを待つだけです。

社会に出てから一般大学出身の方に、
「防大って血が濃いよね」と言われることがたまにありますが、
恐らくこういう教育を受けてきたからだと思います。