前回は防大の予備知識をご紹介しましたが、
「意外にも色んなシーンで役立つことが多かった」等、
嬉しいコメントを頂きました。
今回はどんな風に防大生が日々を過ごしているのか、
少しご紹介しましょう。
※15年以上前の記憶を頼りに書いてます。間違ってたらすみません。。。
防大生は全員が寮生活で、平日は決められたスケジュールで過ごしています。
<防大生のスケジュール>
●6:30~・・・起床
・起床ラッパが鳴り、上半身裸で寮の前に集合(冬でも)し点呼。
寒風摩擦、体力錬成なども合わせて行う。
・1年生はその後共用部分の清掃を行う。
●7:30~・・・朝食
●8:00・・・朝礼、国旗掲揚
国旗掲揚位置に向かって敬礼したまま、
君が代が終わるまで直立不動。
●8:30・・・課業開始
学生舎の前に学科ごとに整列し、行進して教場に向かう。
●12:00・・・昼食
留学生の建国記念日等は一斉会食だが、
概ね自由に食べに行ってOK。
●13:00・・・午後の課業開始
●16:30・・・課業終了、クラブ活動開始
防大生は全員が体育会系クラブに入部。
●18:00~・・・夕食、入浴
1年生は共用部分の清掃も。
●20:00・・・自習開始
途中10分間の休憩時間有り。
●22:00・・・自習終了
●22:15・・・日夕点呼
学生舎内の廊下に整列し点呼。
●22:30・・・就寝
上記は通常期間中のスケジュールで、
夏季訓練期間中等はスケジュール変わります。
【清掃の仕方にもマニュアルがある】
1年生の時にやる清掃は、とにかく慣れるまでが大変でした。
毎日、起床後と自習前にトイレや洗濯場などの共用部分を清掃しますが、
清掃する場所は毎日ローテーションで変わるのです。
清掃と言っても、そこは防大のやり方があるわけでして、、
清掃マニュアルがあり、前任者が指摘を受けたことも
「引き継ぎ事項」として記載されています。
この内容を前日までに覚えなければならず、
清掃の手順を間違った場合、
清掃監督担当の2年生からこっぴどく怒られます。
ただ1年生はあまりにも時間がないため、
マニュアルを読む時間がありません。
じゃあどうするかと言うと、就寝後、
マニュアルを衣服の中に隠し持って
(バレると「早く寝ろ!」と怒られるため)
トイレに行き、手順と前任者が指摘を受けたところを覚えます。
【食事も仕事】
前述の通り、1年生は食事をする時間も無いくらい忙しいのですが、
先輩から「防大生は食べるのも仕事」と言われていましたので、
メニューを覚えるために一口だけ食べて課業に行くという毎日でした。
※後で先輩から「今日の飯って何だった?」と、
食べに行ったかどうかのチェックを受ける。
【就寝時間後に学んだ人間関係】
日夕点呼の際に延灯申請をしておけば、22:30に就寝予定のところを
24時まで自習をする場合に限り延灯許可が下ります。
延灯時間中は通常は自習しなければいけない時間ですが、
こっそり誰かの部屋に夜な夜な4~5人が集まってきて話をする、
通称「夜話(よばなし)」が楽しみでした。
普通の学生であれば、テレビやバイトに費やす時間ですが、
しょうもないお下劣な話はもちろん、
今日あったこと、先輩の悪口(私はしたことがありません)、
人生のことなどを毎晩同期と語りあったり、
ときには後輩から悩み相談を受けたりと、
他の大学生と比較すると「色んな人間と話す」ということに
かなりの時間を費やしたと思います。
僕は個人的には 防大生活でこれが最も大きかったと思っています。
防大に集まってくる人間は、出身地はバラバラ、
育った環境も違う、さらに国籍も違う人間もいて、
まさに玉石混交。
話していた内容は大学生なので他愛もないものだと思うのですが、
話すことで「他者を認める」「自分を知ってもらう」ということを
何度も何度も行なっていて、
これが今の自分に大きく影響しているかと思います。
ちなみに防大は、同部屋になる人間が頻繁に変わる仕掛けもあるので、
「同じ人間とず~っと一緒に生活する」ということはありません。