『時間が足りない!』

『1日が30時間あったらいいのに。。。』

誰でも一度は、そう思ったことがあるのではないでしょうか。

 

防大で一番大事なもの。。。。

それは「時間」と言っても過言ではありません。

 

防大では絶対にこなせないような仕事の量が与えられます。

そこで時間を有効活用するために、

「何をやらないのか」=「やらないことを決める」ことがとても重要になります。

 

以前ご紹介したように、

1年生は6時半に起床してから8時5分の課業行進までに、

点呼、掃除、食事、制服のアイロンがけ、靴磨き、洗面、朝礼、、、などなど

やらなければならないことが山積しています。

 

さらに一年生は合間合間に「怒られる時間」(笑)があるので、

全部をこなすには時間が全く足りません。

 

「やらないことを決める」について、

容儀点検(ようぎてんけん)を例にお話しましょう。

「幹部候補生は身だしなみから」ということで、
防大では「容儀点検」という服装チェックが頻繁にあります。
*基本的に課業前に毎日やる。

チェックをするのは上級生(3~4年生)。

チェックされる個所は、

・アイロンがピシっとかかっているか?
*「ズボンの縦ラインで指が切れるくらい」と言われてました。

・靴がピカピカになるまで磨かれているか?
*「靴先に顔が映るくらい」と言われてました。

・制服にホコリはついてないか?
*糸くず1本でもダメ!

・帽章や襟章はピカピカになるまで磨かれているか?
*金属磨き「ピカール」を使います。

といったところ。

どれか1つでも不備があると再検査です。

再検査までの合間に、不備項目を記載した報告書を作成して
上級生に出さなければなりません。

その時間、なんと5分!

しかも出した報告書自体が不備指摘を受け、
報告書自体も出し直しを命じられます。

あまり良くない書き方ですが、
全部馬鹿正直に

報告書を作成

上級生に提出

再度報告書作成

不備項目(アイロンがけなど)の改善

とやってると絶対に時間が足りません。

あっと言う間に5分が過ぎて、
不備項目を全く改善できてないということにもなりかねません。

そこで「5分の中で何をやって何をやらないか」を決めるのが、

とても大事になります。

現役諸君は耳を塞いで欲しいのですが、
私の場合はまず不備項目を1分くらいでざっくり直し、その後報告書作成。
*これで再検査までに不備項目が全く改善できてないということがなくなる。

報告書の不備指摘が何度か入っているうちに、
上級生が「ほら!再検査はじまってしもうたやないか!行け!」
となって再検査を受けるという感じでやってました。

「1分あれば何でもできる!」という私の時間軸の基礎は、

この頃に設定された気がします。

 

『絶対無理な仕事量があるなかで、「やる」「やらない」の優先順位をつける。』

 

間違いなく、防大で経験しておいてよかったことの一つですね。