よく聞かれる質問の一つですが、
「防大生の進路(陸海空のどこに行くかなど)はいつ、どのように決まるのか?」
ということについて、今回はお話したいと思います。
防大には一学年で約500人の生徒がいます。
入試時は文系か理系を選択するのみ(学部・学科は選択できない)で、
ちなみに私は文系でした。
防大はもともと理系大学としてスタートしたため、
理系は「応用化学」「応用物理」「航空宇宙」など20~30個の学科があります。
一方、文系が出来たのはつい最近のことで、
私が防大にいた頃は、文系学科は「管理学科」「国際関係学科」の2つしかありませんでしたし、
当然学生数も圧倒的に理系の学生が多くなっています。
話が少しずれましたが、
2学年に進学する前になると、担当指導教官から
「陸・海・空のどれに進みたいか」「学科は何がいいか」と、
一応(あくまでも「一応」です)希望を聞かれます。
私は空自のパイロットになりたかったので、
「航空要員」と「管理学科」を希望しました。
すんなり希望が通るとは思っていませんでしたが、
ある日指導官に呼ばれて、「松本、喜べ。」と。。。
「まさか、航空か?」と期待しましたが、
「管理で通してやったからな!要員は海自な。」と言われました。
「希望通りって、学科かよ・・・」と、その時はちょっとがっかりしましたね。
当然のことながら、どのように決められたのか、理由は教えてくれません。
そしてこの決められた「陸・海・空」の進路は、
後で変えることは決してできないのです。
いわば、『人生が決まる』と言っても大げさではありません。
希望が全く通らない学生も多くいます。
ですから、辞めてしまう人間も残念ながらいます。
私も最初は乗り気ではなかった海自要員ですが、結果として、
「行ってみたらどこでもいいところはあるんだな。」と実感しました。
防大時代の海自要員は座学が中心。
*正直、訓練が陸空と比べると楽。
そして訓練期間中は、船で日本全国あちらこちらに行けます。
行く先々の港では色んな出会いがあり、
現役自衛官(防大OB)や地元後援会の方が本当に色々と面倒を見てくれます。
海自では経験することができないと思っていたパイロットですが、
海自にも飛行機やヘリがあり、
「そんなに悪いところでもないな。」と思うのに、
そう時間もかかりませんでした。
世の中、行きたい道に行けず悩んだり、
現況に不平不満を抱えている人も沢山いらっしゃると思います。
ですが、知れば知るほど、
知識が増えれば増えるほど、良いところが見えてくるものだと思います。
どうか悲観しないで、前向きに頑張ってみてくださいね。